happy365day’s diary

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読書メモ 西川淳(2018)『2030年 教師の仕事はこう変わる!』読了

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西川淳(2018)『2030年 教師の仕事はこう変わる!』

【序章 教師にこれから何が起こるか】

【第1章 これから学校に起こることは?】
・「未来」はすでに起こったことから見える
・大学入試でトップ校は激変し、トップ以外は大きく凋落する
・時代に即していない学校現場のICT教育

【第2章 これからの学校現場で起こすべきこと】
・中学・高校から生産者になる
・AI、ロボット、移民に対抗できる方法
・学校が激減し、教員の働き方も変わる

【第3章 生き残れる教師になるために】
・未来をつくりだす教師になる
・いまの学校はかぎりなく限界に近い

【第4章 未来のために今すべきこと】
・生き残りに必要なスキルを高めるために
・これからの教師・学校のあり方

 

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西川先生の本を読了して当時は「うんうん」と納得しました。しかし、今日読み返してみると、意外といろんな内容が頭から抜けていることに気づきました。

 

本を読む=内容を理解できる、あるいは覚えている、ではないことを思い知らされました。

 

そこで、自分の記録として、メモを取っておけなければと思い、メモ書きをしてみました。本当に本の中の大事な部分を抜粋して、メモをとるぐらいにしかまだ能力が追い付かないですが、これを機に、読んだ本を自分が理解した範囲で論理的にまとめられるようになりたい、そして少しずつ読書レビューができるようになりたいなと思いました。

 

この本は、日本の学校教育について書かれている本で、前半で2030年に日本の学校や教師の仕事はどのように変わっているのかについて書かれています。これについてはあとで詳しく書いてみますが、まず、本の後半のほうに書かれているもので、大事だと思ったところです。

 

教師が生き残りに必要なスキルを高めるためには何をすればいいのか

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・頭使わない書類はさっさと期限内に終わらせる。

・プロのボランティアを味方にする。

助成金に応募しよう

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ここで気になった2番の「プロのボランティアを味方にする」というところです。ドラッカーの言葉を引用しながら、ボランティアの獲得の大事さを書いています。そして、飲み会はカリキュラムではなく、保護者・地域の人々と一緒に教育活動を行うことによって、ボランティアを獲得していくことが必要になると書かれています。

 

 

情報発信力を高めるために

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・自分なりのデータベースを作る。

・ブログやSNSなどを毎日書くこと

・毎日書き続けることによって、それなりの文章が書けるようになる。

・毎日書き続けるために、いろいろな情報のアンテナを高くし続ける必要がある。

・様々な情報を自分の問題としてとらえ、自分なりの考えを持たなければならない。

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  自分なりのデーターベースを作ることの大事さは、教師になった今しみじみ感じることです。いろんな先生方のブログやツイッターを見ていると、自分は今まで何をしてきたんだろうと思うときがあります。

学生たちの誤用や、授業での失敗例、学生とのやり取りなど、記録を付けている先生方がいらっしゃいます。それがやがて宝物になるんだと思い、私もそれを実践しようと思って始めましたが、なかなか続きません。

何かをやり続けることって本当に難しいなと思いました。自己啓発系の本によく書かれているように、習慣化すれば苦にならないし、逆にやらないことが苦になるそうですが、習慣化するまでが難しいなと思った次第です。

 

 

具体的な行動目標が必要

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ドラッカーによると、リーダーの使命感が大事である。

・具体的な行動を目標にすべし

・最も犯しがちな過ちは、立派な意図をたくさん盛り込んで使命としてしまうことである。

・使命は簡潔・明瞭でなければならない。

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教師に求められるコンプライアンス

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・学校の管理職が法を適切に理解し、解釈し、

・本当に現場に必要なことだけを行うような仕事の絞り方や、目標を設定、

・学校の運営ができるかどうかだけでは足りない。

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法規を学んでできることを理解

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・「~~が教えられなくなった」ではない、実は教えられる。

・法に反することはダメであるが、それ以外はOK

・量的規定がない場合、一やるか、十やるか、百やるかは裁量権

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思いを実現するには政治も必要

自分がやりたいことをやるためにも、政治的なことが大事になってくるのかなと思いました。非常勤として働いていると学校から決められた内容や教科書、評価法に従わざるを得ません。しかし、教務主任っていいなというツイートを見たことがありますが、その通りですよね。やりたい授業ができて、使いたい教材教具が使えるって政治的な力は強いですよね。

 

 

これから必要になる教師の3つの職能

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①子供や保護者のせいにしない。たしかに、それが原因なのかもしれないが、それを言ってはおしまい。子どもや保護者のせいにして合理化する教師になるか、成長し続けることのできる教師になれるか?

②尊敬すべき、先輩、後輩を探し、その人といっぱい雑談をする。見出す方法は、子供たちに聞けばいい。

③真似できるところは真似る。真似できないところは、真似る必要があない。今の自分のままで、できる授業はある。先輩からのアドバイスを使ってみてその是非が分かる。あらゆる先輩のアドバイスの最大の効用はあなたがもう一度自分の頭で考えてみようと思うことである。

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3つの条件、どれも身をもって感じることがありました。

①に関しては、「なぜできないのか?なぜ覚えてくれないのか?あげくにやってくれない学生が悪いと思っていた時期もありました。

②に関しても、初めての非常勤先で、学生たちのあまりのひどさに毎日悩み、苦しみ、もう学校に行くのが怖い、行きたくないという気持ちでした。うつ病寸前か、もうすでにうつ病だったのかもしれません。その時にいつも話を聞いてくださって、アドバイスをしてくださって、慰めてくださった同僚の先生がいらっしゃいます。本当にその先生のおかげでいま成長できた自分がいると思います。一生感謝し続けたいと思っています。

③真似できることとできないことの差が結構あることに気づきました。人それぞれ性格や考え方やそして、相手している学生さんも違うので、アドバイスしてくれた先生は成功した事例でも、私がそのアドバイスとおりにやってもうまくいくとは限らない事例がたくさんありました。アドバイスも大事、他人から学ぶことも大事ですが、本当にここに書かれている通り、どのアドバイスを、自分自身でどのように受け止めて、自分のものにして学生たちへ還元できるのかが大事なことだと思いました。

 

良き校長のリーダーシップとは、管理職の3つの職能

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①判断が早いこと

②判断にぶれがないこと

③その判断基準が、メンバーにとって共感できるものであること

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以下は2030年に学校や教師の仕事がどのように変わっていったのかについて書かれている部分です。

抜粋して載せましたので、興味のある方がぜひ読んでみてください。

 

2030年 学校や教師はこう変わる

少子高齢化に伴い、終身雇用が崩れることが予想される。さらに終身雇用が崩れた後は、学歴が必要なくなり、即戦力の知識・技能を持っている人が必要になり、新卒採用から採用方針を転換し、「経験者の中途採用しか行わない」会社が増えていく。そして、採用基準は「使える資格」の有無になっていく。

 

重要なのは英語ではなく、4技能も必要なく、英検も重要視されなくなり、大事なのは「海外の人と付き合う能力」になる。今の日本のような英語教育は必要なくなり、海外の学校と提携し、自動翻訳とバーチャルリアリティを活用し、共に学び合う教育をする必要がある。

 

資格取得に有利な専門学校化していくと予測する。根拠としては、即戦力重視の社会に大学が対応するのは難しくなり、「個性化」「総合化」「非同時化」「分散化」「適正規範化」「地方分権化」した専門学校化しなければならない。

 

少数の大学はアカデミック大学として残る、その候補はスーパーヒール大学創成支援事業のトップ校である。トップ校の人的・物的資源を地方に分散し、大学それぞれが個性的なミッションを持ち、その大学の周りには、そのミッションに対応する企業が誘致される。

 

アメリカでは、企業は採用してから育てるのではなく、即戦力を求め続け、大学はそれに応えなかえなければならない。アメリカのように能力重視な社会になるのであれば、日本の大学は即戦力をつける授業をする。研究者養成の大学院は一部に限られ、大学院は即戦力養成の大学院になるべきものである。

 

著者は、初期の研究は主流ではなかったため、学会や周りから迫害されるほどだったが、志を同じくする若者家研究者と小グループを作って積極的に研究を進めていた結果、今はマイナーだった研究が主流に変わった。

 

ドイツを発祥とするデュアルシステムという今までの学校教育と企業内教育を同時に進行させる教育システムがある。中学校・高校でジョブ型の教育していくべきである。

 

グーグルの調査によると、業績を上げるチームはほとんど特徴を持っていて、最終的に明らかになったのは、「心理的安定性」であった。簡単に言えば、このチームの人たちだったら自分を否定しない、受け入れてくれるというメンバーの信頼感であった。このような「心理的安定性」を育むには「協働」で得ることを体験させる。

 

子供たちは、全国学力試験、資格取得の他にプロジェクトに参加し、単位を取らなければない。プロジェクトは4種類あるが、

①育児プロジェクト(小中高大学いずれにおいて必修。夫婦がともにいつでも子育てができるように学ぶ)、

②介護プロジェクト(小中高大学いずれにおいても必修。いつでも家族の介護ができるように学ぶ)、

③就職プロジェクト(小中高大学いずれにおいて必修。週一日以上、連携する企業で働く)、

④地域課題解決あるいは活性化・魅力化プロジェクト(選択科目。自治体や議会などと連携し、提案する)

 

教授の数だけ、多様な大学があり、学生、准教授、講師はそのもとで「結果」を積み上げキャリアアップをする。教授はその「結果」の集積によって生き残る。大学は大きな方針で教授を採用し、評価する。結果によって国や企業や学生から学費や資金を獲得し、成り立つ。

 

今の中学校と同じく、地元の中学生が集まって勉強するが、違うのは一人ひとり学ぶべきことが違うということ。教師は一人ひとりの進路希望に基づきアドバイスし、多様な子供たちの集団として維持管理をすることが仕事。子供たちはそれぞれの志望キャリアに基づき多様な学習を続けるが、同時に互いが仲間であると感じられる関係を保てるよう教師は関わる。小中高大いずれも、現在の校内の試験はなく、評価は常に学校外が行う。学校・教師はそれをサポートするのが仕事である。

 

未来の学校の担任教師は「教える」ことは求められない。教科内容は力量がある教師の授業動画がインターネットで視聴できる。

 

教師に求められる能力は?

朝8時に学校に到着する。メールチェックメール送信(学生からの報告や教師からの知らせもすべてメール)するため、やるべきことは、

・予算獲得の為の申請書の作成

・獲得した予算の報告書の作成

・プロジェクト活動で連携する施設・企業・大学との調整を行う。

・子どもたちの全国学力試験の結果分析、獲得した能力の分析を行う。

・それをもとに子供たちから月ごとに提出される学習計画書を評価する。

・各企業・大学がどのような人材を求めているか情報収集し、それによって個々人にアドバイスをする。

・毎日1時間程度のオフィスタイムを設けて、6,7人の生徒と面談をする。

・以上の教育活動をネット上で全世界に情報発信する。

教師の退勤時間はおおよそ4時・・・