読書メモ『教師になるということ』池田修
この本を読みました。
印象に残る言葉:
最小限のお金と時間を使って最大限の効果が出る場合も確かにあります。ですが最大限のお金と時間を使って最小限の成果しか出ない場合もあるのが教育です。
とってもいい例えが印象に残りました。以下①~⑤
①小学校の先生:
子供が自転車自分で進もうとするときにその補助輪をつけたり付け方を教えるのが小学校の先生の仕事
②中学校の先生:
この補助輪を外す仕事です、または外し方を教える仕事
③高校の先生:
自転車と自分の関係をきちんと理解させるようにする、自転車をメインテナンスさせ、運転する自分とは何者なのかを考えさせる、また場合によっては自転車から自動車への乗り換えを求め運転の技術や心構えについて高い質を求めていきます。
④湯船効果:
湯船を洗い、水をためる。ところがじっと見ている時はなかなかたまらないくせにテレビなんか見ているとあっという間に溜まってしまい溢れて親に怒られる事がある。これが勉強のどこが似ているかと言うとことですが、実に似ているんです。入れている水は勉強の量だと思ってください。入れていることを意識しているときにはなかなかたまらないように勉強していると思い続けているときは力はつかない。ところが勉強していると言う意識がない位に自然に勉強を続けていると突然わかるのです。できるのです。溢れる瞬間を感じることができるのです。一体いつその溢れる瞬間を感じることができるのかその答えはわからない。その理由は1)流す水の量がわからない。2)もともと湯船にどのぐらい水が溜まっているのかわからない。3)湯船の大きさがわからない。
⑤エスカレーター客層の法則:
エレベーターは下りのエスカレーターです。上から降りてくるエスカレーターを下から駆け上るのです。これが勉強に似ているのです。
実は勉強と言うのははじめの頃は逆走してエレベーターを駆け上るように大変なのです。やればやるほどわからないところが出てくるのです。だから大変なのです。ところがあるところまで行くと楽になります。ちょうどそれは1階から2階へと駆け上がるときに動かないフロアに足が乗った状態です。これを繰り返し返していくのです。
これは勉強を進めるために必要だった基礎的な知識や技術が身に付いたことを示しているのだと思います。ワープロで字を打つのと同じです。最初は手書きのほうが早いが我慢してタッチタイプを練習していくとぐんと速くなる。
そして、著書では次のようなエピソードもありました。
kくんの話:
先生がスペイン語を一生懸命勉強する、他の保護者も協力する、クラスメンバーを動員して協力する。
nくんの話:
漢字が苦手な学生のために漢字ウォーリーを探せ!をやらせる。生徒が面白がってくると今度は漢字ウォーリーを作るようにする、漢和辞典を使って似てるような漢字を作る・探す。
授業やクラスは先生一人で作るものではありません。クラスメイトの存在はとても大きいと思うし、保護者たちの理解や支援もとっても大事ですが、そういうように生徒さんたちから慕われ、保護者の支援をもらえるのは先生の人柄なんだろうなと改めて教師の人格について考えるきっかけになりました。