happy365day’s diary

勉強用のメモ、読書メモなど、仕事や勉強に関する記録を残すためのものです。

読書メモ 西川純著『すぐわかる!できる!アクティブ・ラーニング』の内容メモ

 アクティブ・ラーニングを提唱する世の中の流れに乗り、アクティブ・ラーニングの勉強をしようとまずは、入門書みたいなものを図書館で借りました。


 アクティブ・ラーニングの知識ゼロの状態で、ただ時系列に本の内容と感想をメモのために書いただけであることをお断りしておきます。


 今回借りた本はこちら↓

product.rakuten.co.jp


西川純著『すぐわかる!できる!アクティブ・ラーニング』学陽書房

4章構成
第1章 なぜアクティブ・ラーニングなのか?
第2章 アクティブ・ラーニングの実際
第3章 アクティブ・ラーニングはなぜ有効か
第4章 これから求められる教師の職能とは?


 「アクティブ・ラーニング」は造語で、近年生まれた言葉だそうです。こんなに使われているので、てっきり有名な教育学者がつけたネーミングだと思っていました。自分の勉強不足を1ページ目から痛感しました。

 アクティブ・ラーニングの文部科学省の定義というものがあるそうですが、
  「P18 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学習することによって、認知的・論理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた凡庸的な能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習などが含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。」

 とかなり長い定義になっています。ここまで読むと、日本の学校教育についてはまったく門外漢ですし、経験もないので何ともいえませんが、こういうのって普段どの先生も少しはやってるんじゃないのかな?って思ってしまいました。

 それより衝撃的だったのは、この本に書かれているあるデータです。
 東京大学の学生の英語の平均点が120点満点中、約60点であるため、アメリカの一般大学で求められている80点を下回り、大多数の東大生もアメリカの大学に不合格になるんだそうです。
 私は自分自身が英語が非常に苦手でほぼほぼできていないので、英語を物差しにするのはあまり好きではないのですが、現代社会で英語はできなくては困るものになっていますよね。ん。。。。私も英語を少しずつ勉強しなきゃとも思いました。

 アクティブ・ラーニングだけでなく、いろんな場面で「そのうちある程度のものはAIに取りかえられてしまい、人間が職を失ってしまいます。」と言われています。
最近学会や研究会・セミナーとかに参加してもよくこのような言葉を耳にします。外国語を教えている教師たちはよく次のように言われます。

  「あなたのお仕事、AIに奪われますよ。」
  「だから、ただたんに教えるだけの授業では淘汰されてしまいますよ。」
  「だから自分磨きをして、AIができない部分を補える存在になりなさい」

確かに自分の生徒さんたちを見ていると、最近はみんなスマホで分からない言葉を調べ、単語を覚えるアプリで単語を覚え、会話アプリで会話を練習し、オンラインビデオチャットで授業を受ける学生もたくさんいます。

あと一つ気になったのは、「経済界が求めている次世代の生き抜く人材像」という項目がありますが、意地悪な見方をすると、経済界のために人材育成しているように思えて、少し「ん。。。」って思ってしまいました。

P33 アクティブ・ラーニングは、何より「一人も見捨てないこと」を重視し、全員が課題を達成する」ことを目指すそうです。
本当にレベル差が半端ないクラスを一人も見捨てないで授業を終了することはできるのだろうか。それを可能するために教師が存在しているのかもしれませんが、どのように授業をデザインし、誘導し、道しるべができるかが先生の重要な役割になると思いました。

 P34-35 アクティブ・ラーニングで授業がどう変わるのかについて書かれています。
 成績向上
 人間関係
 不登校
 特別支援
 余裕を持てる
 すぐ効果が出る

アクティブ・ラーニングの授業イメージの1例として挙げられているもの
P41    ①教師が課題を伝える【5分以内】
        「全員が課題を達成するのが目標」と伝えます。
        「分からないから教えて」と自分から動くことを奨励
      ②「さあ、どうぞ!」と促し、子供が動く【40分】
        最初はまず自分が課題を解くため動かない。
        徐々に他の子に教える子ども、教わるために移動する子供が出て、
 動き始め、グループが生まれていく
(教師はグループを強制的につくったりしない)
 やがて、グループ動詞の交流が始まり、多くの子供が課題を達成する
 まだできない子をサポートするメンバーがどんどん増える。
      ③成果を振り返る(5分)
        「全員達成」ができたかどうかを振り返る。
         学習内容のまとめはしない。あくまでも「全員達成する」という目  
         標に対してどうだったかを振り返らせる。

 九月に学校が始まったら私も一度アクティブ・ラーニングをやってみたいなと思ったのですが、最後の一言がひっかかります。本当に「学習内容のまとめはしない」でいいのかなと心配になってきます。
 私としては最後に学習内容をまとめて、みんなで振りかえ、その後、簡単な練習問題をやらせたい気持ちです。

 P46-47 アクティブ・ラーニングのテクニック
   ①課題作り:トップレベルの学生が15分で課題達成ができる分量にする
   ②「一人も見捨てない」と教師が語ること
一人を見捨てるとどんどん悪化し、学級崩壊につながる
   ③誰ができているか、誰ができていないのかを可視化する
    ネームプレートが有効 名前を書いた磁石のネームプレートを用意して、
できたと書いた大きなまるで囲んでできた学生の名前を丸の中に移動させる。

P48-49 アクティブ・ラーニングで教師がすべきこと
   ①子ども自身の判断を尊重する
(学生たち自身で教える教わる相手を探す 教師は介在しないこと)
   ②教師の言葉がけが重要
    (子供に教えることを辞めて、子供同士が関わりあうように仕向ける)
    (遊んでいる子ではなく、先生の話を聞く2割の子に声掛けする)
     遊んでいる子に教えるように仕向ける。
 注意を促すのも先生ではなくクラスのリードする学生に任せるべき
   ③間違った方向に子供が進んでいるときの声掛け
     間違った答えを書いた学生を見かけた時にはかかりきりにならず、
     ○○番が違っている、○○番が分かる学生はいないのか、と大きい声で話す
     教師がその子から離れると、自然に教えに来る学生が現れる

 アクティブラーニングでの目標・授業・評価の一致
 課題は成績上位2割の子供が確実に達成できるものにしなければならない。
 テストは学期の始めに作成し、それをもとに授業を展開していく
 
成績向上のためのワンポイント・アドバイス
 「初心者がアクティブラーニングで成績を上げるためには、先人が積み上げた方法をまずそのままやることが大事である。半分は従来の一斉授業、半分は中途半端なアクティブラーニング(?)では絶対成績を上げられません。しかし、書いてある通りにやれば確実に成績を挙げられます。」と書かれています。→ふむふむ

 過渡期があってもいいじゃないと思ってしまう私のような人は著者がいう中途半端な失敗確定の人なんでしょうか。

学力向上の最大のポイント
 やる気がなければ教材に意味はない
 当人が学ぼうとしない限り、どんな教材もどんな指導も効果がないということです。
 逆に当人が学ぼうとするならば、どんな教材やどんな指導でも効果が上がります。当人が学ぼうと決意して初めて、教材や指導の良しあしが問われるのです。→とても賛成

P77 「一人も見捨てず」という高いミッションを掲げることによって、集団内のエゴを抑え、集団としての凝縮力を高めます。

成績を上げるアクティブ・ラーニングの指導
 授業内容のまとめはせずに、その日の授業でどのように課題達成に向かっていたかを評価し、良いところは褒め、次の授業で乗り越えるべきことを語りましょう。
 ①机間巡視の際に、わかっていない学生がいたら誰かが教えるように促す、そして教えた学生を徹底的にほめる。
 ②テストで成績が悪かったときは、〇○日に解いた問題だよ。その日の課題は〇○だよと、その時の課題を出す。先生の記憶だとその日はみんなできていた。だけど今回のテストでは間違えた人が多い。なぜだろうか。今度はそれを乗り越えていこうと声をかける。

子供に時間を与えるほど成績が上がる。
 効果を上げたければ子供に遺憾を与えることだそうです。
 さらに時にはじっくり語ることも重要だそうです。
 最初に授業をやる時、リード役の学生の動きが悪い時はじっくり語り掛けることが大事だそうです。
 「まずは週1回のアクティブ・ラーニングから始めましょう。」と書かれています。
 つまり、最初からすべての授業コマをアクティブ・ラーニングにしなければならないことはありません。
 そう言われるとなんだかハードルが下がってやってみたいなと思うようになりました。秋学期はどんな授業にしようか、ずっと頭の中で考えてはいるのですが、どのような授業項目でこのアクティブラーニングを取り入れていけばいいのか悩みどころです。
 
 それよりもっと心配なのは、
 やる気がなければ教材に意味はない
 当人が学ぼうとしない限り、どんな教材もどんな指導も効果がないということです。

 です。なぜならば、あまりやる気のない二年生がいるからです。その学生たちにどのように語り掛けてこのアクティブ・ラーニングを実現させるか、計画を練ってみたいといます。うまく行っても、行かなくて一度ここで報告したいと思います。